富山から奈良に戻って2年。中学～高校時代を奈良で過ごしたものの、橿原に来ることはあまりなかった。県外に住んでいた年数の方が長いので、奈良の土地勘も乏しかった。開業場所を決めるときに奈良県内をいくつか回って、最終的に橿原の「ちょうどいい」雰囲気に惹かれてここに決めた。

　情報発信も自己アピールもあまり得意ではないため、開院当初は看板も出していない状態だった。「鍼灸治療を受けてみたいと思っている人にやぎきた鍼灸室の存在を知ってもらいたい」そう思って、しばらくして小さな看板を出して、ホームページも作ってみた。

　すると「看板をみて来ました」「ホームページをみてきました」と言って来てくださる方が少しずつ増えてきた。会ったことのない鍼灸師から、馴染みのない鍼灸治療を受けるというシチュエーションはとても勇気のいる行動だと思う。勇気をふり絞って、やぎきた鍼灸室をのぞいてくださる方がいるということに、ただただ感謝の日々だった。

　おかげさまで今日で開院2周年を迎えることができた。開院当初からずっと来てくださっている方の「去年と比べて体調がいいです」という言葉を耳にすると、長期的なケアに携わることの重要性を改めて実感する。やぎきた鍼灸室に足を運んでくださる方に、日々感謝して、その感謝の気持ちを治療でお返しする。今日も明日もこれからも、私にできることはそれだけだと思う。

　これまで出会ったすべての方に心から感謝しています。

　今日から3年目に入るやぎきた鍼灸室を、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。